歯科における飛沫の拡散防止には、バキュームと呼ばれる吸引機器があります。バキュームには、お口の中に入れる口腔内バキューム、お口の外に設置する口腔外バキュームがあります。

 

今回は、この口腔内バキュームだけで吸引した場合、口腔内バキュームと口腔外バキュームを併用した場合の飛沫の拡散の違いについて知っていただきたいと思います。

 

まず、口腔内バキュームのみを使用した場合、口腔内から飛び出る粒子(水分、感染物)は上方に行き、その後花火のように周囲へ拡散していきます。

 

口腔内バキュームに口腔外バキュームを併用した場合、口腔内から飛び出す粒子は口腔外バキュームへ吸われていきますので、周りへ拡散するリスクは大幅に減少させることができます。

 

では実際にどのくらいの飛沫の拡散ができるかというと、口腔外バキュームを併用することで飛沫粉塵の捕集率が口腔内バキューム単独時に比較して40~60%向上することが分かっています。

 

また、飛沫粉塵の中にある細菌数(最近のコロニー数)も口腔外バキュームを併用した場合において少なくできることが報告されています。

 

また、患者様の口腔内周囲の飛沫吸引だけでなく診療室内の一定範囲内の吸引も行っているため診療室内の換気にも一役買っています。

 

このほかにも様々な対策をしていますので、安心して受診していただける一助になればと思います。