受け口のことを専門的には反対咬合と呼びます。反対咬合には①「下顎の位置的なずれによるもの」、②「歯の位置のずれによるもの」、③「下顎骨の過成長もしくは上顎の劣成長によるもの」のいずれかが原因です。

 

①の場合は、下顎を正しい位置に誘導するための装置を用いて、下顎を後方に動かしていきます。治療は言葉が分かり指示が通る年齢・月齢である3歳頃から行うことができます。

 

②の場合には、矯正装置を用いて歯を正しい位置に戻し、噛み合わせの改善を図ります。多くの場合は被蓋関係といい、歯の重なりに問題があるケースがほとんどなので、歯並び全体の治療を通じて改善を図ります。

 

③の場合は成長発育の段階によってアプローチが異なります。成長期をまだ迎えていない場合には、成長の少ない上顎骨の成長を補助するためのトレーニングを行い上下ともに顎骨の位置関係が正しくなるように誘導していきます。

反対に、成長期が過ぎている場合には、全体の改善をするためには外科的に位置の修正を行わなければなりません。

 

受け口は多くの場合、幼少期の習癖から来ることが多いため、早めの治療が推奨されます。