ウイルスからの防御 「うがい」の効用
2020.08.03(月)
現在、世界でパンデミックを起こしている「新型コロナウイルス」。この恐ろしいウイルスに対する治療薬、ワクチンが見つかるまでの間、私たちにできることは徹底した防御です。
では、この未知のウイルスについて、脅威ではありますがインフルエンザウイルスと似たウイルス特有の構造を持つということは、ウイルスから身を守るうえで参考になることは多くあります。
ウイルスはみな、単独では生きていくことができず、生きた細胞に入り込まないと生きていけず、また、仲間を増やすこともできません。
体内に侵入したウイルスは喉の粘膜にひっついて、その粘膜の細胞の中に侵入し乗っ取りを開始します。
しかし、粘膜の細胞もウイルスが付いたらすぐに乗っ取られるわけではありません。細胞表面の粘液が邪魔をするからです。
このタイミングでガラガラうがいをすることでウイルスの侵入を防ぎ、追い出すことができます。これが家に帰ったらうがいをすぐに行う理由です。
しかし、この粘液による防御作用が弱くなることがあります。それは、歯周病です。
普段からの口腔ケアが大切なのは、お口の中だけでなく全身の健康に寄与しているからです。
ウイルス感染症と歯周病・口腔ケアとの関係
2020.08.01(土)
インフルエンザなどのウイルス感染症から身を守る有効な手段として「マスク」「手洗い」「うがい」はよく知られています。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために取られているのが「3密」の回避です。ところで、これらに加えてもう一つ、ウイルスに対する防御力をあげる方法として注目されていることが「口腔ケア」です。
100年ほど前に起きたスペイン風邪のパンデミック下での調査では、お口の健康とウイルス感染症の関連性が疑われ、調査が行われていました。その調査によると、歯周病に罹患している人、歯周病に罹患していない人、それぞれのスペイン風邪への罹患率に約2倍の差があったとされています。
当時はもちろん、なぜこのような違いが出たかはわかっていませんでしたが、現在では歯周病菌と細胞性免疫、ウイルス感染症との関係性が分かってきています。
お口の中を綺麗にして、体の防御力をあげていくことが大変重要ですね。
歯医者での感染予防対策 口腔外バキュームとエアロゾル
2020.07.27(月)
「エアロゾル」という言葉を聞いたことがありますか。
新型コロナウイルスの感染が日本で話題になった頃から、
感染経路の1つの可能性として「エアロゾル感染」という言葉がニュースなどでもよく使われるようになりましたね。
エアロゾルとは、歯科医療現場でいうと、唾液・血液・分泌物・切削片・歯磨剤・回転器具の冷却水などを含む霧状の汚染水のことです。
会話やくしゃみなどで飛ぶ唾液やしぶきは「飛沫」といいますが、これよりも粒子が小さいものを指します。
飛沫は水分の重みで落下しますが、エアロゾルは軽いのでしばらく空気中を漂うという特徴があります。
新型コロナウイルス感染を防ぐために歯科で注意が必要なのが、このエアロゾルを介した感染です。
歯科治療にハイスピードタービンなどを使うと、飛沫やエアロゾルは半径2mほどの範囲に飛び散ります。
そうすると、エアロゾルに含まれる病原体も空気中に浮遊し、結果として診療室全体が汚染されることになります。
それが診療室にいる人たちの皮膚・粘膜・呼吸器官・傷口などから体内に侵入すると、感染が発生してしまうというわけです。
歯科の診療室では、空気のコントロールがとても重要になります。
換気をよくすることはもちろん、診療中にこのエアロゾルを飛散させないようにすることが大事です。
そこで効果的なのが、「口腔外バキューム」。
治療中に吸引口を患者様の口元に近づけ、エアロゾルを効率よく吸い取る機器です。
これにより、患者様を含めた診療室にいる人たちがエアロゾルを体内に取り込んでしまうことを防ぐことができます。
また、エアロゾルが飛散することを防いでくれるので、汚染範囲を縮小でき、診療室の空気を清潔に保つことができるのです。
口腔外バキュームは診療している周囲だけでなく、診療室内の「換気」の役割・機能を備えているため、診療室全体の空気のクリーン化にも一役買っています。
少しでも皆様が安心して受診できるようこれからも努めてまいります。
定期受診の重要性
2020.05.20(水)
先日、熊日新聞に掲載された熊本県歯科医師会から案内です。
お口を健康に保つことが全身の健康につながり、様々な疾患の重症化を予防します。お口の中を清潔にすることは、食事をおいしくとれるということの他、お口の中の細菌数を減らし、肺炎等の全身疾患のリスク軽減につながります。
自動車の法廷点検・車検は事故が起こる前に検査・整備をしておくという意味合いがあり、お口の健康についても同じです。
何かしらの症状が出たときには、虫歯・歯周病がある程度進行した状態なので、治療に際し歯や歯茎への負担が大きくなるばかりか、治療期間もその分長くかかってきます。
これまでしっかり定期健診を受けられていた方も、これから定期健診を受けようとされている方も、安心して受診できる環境を整えています。
すてきな健康生活を始めてみませんか?
http://www.kuma8020.com/pdf/coronavirus-10.pdf
当院における今後の感染症対策の指針
2020.05.19(火)
平素よりすけひろ歯科・kidsデンタルクリニックへご来院いただき誠にありがとうございます。コロナウイルス感染症で影響を受けた方々には心よりお見舞い申し上げます。
新型コロナウイルスに関して、先日報道がありました通り、地域ごとに制限が解除され少しずつではありますが、これまでの日常が戻りつつあります。
ただし、全国的に見た場合に感染者が0、新規感染者が0ではないという事態も注視していかなければならない点ではあります。そのため、常時感染症に対して、私たち従事者と患者様の双方にリスクがあることを念頭に診療にあたる必要があります。
つきましては、全国の状況をみながら当面の間はスタッフのマスク着用等の現在の予防対策を引き続き行っていきます。
状況の変化により、変更をしていく点もありますが、待合室の消毒液の設置、消毒の徹底などは今後も継続していきます。
- 今後の感染対策の方針(予定)
- 待合室・診療室の消毒
- 患者様用の消毒液の設置
- 個々の器具の滅菌
- 待合室・診療室の換気
- スタッフの健康管理
- 口腔外バキューム・フェイスシールドによる術者の感染予防
- 紙コップ・エプロンなどのディスポーザブル化(使い捨て)
- イソジンによる術前のうがい
- 消毒の見える化
- スタッフ間での知識の共有、院内講習会の実施
など。
待合室の雑誌、キッズスペースのおもちゃなどは状況に応じて再設置していく予定です。
皆さまにはご不便お掛けする点があるかと思いますが、何卒ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。